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更新日:2022/2/4

推計学−M3 春休みレポート(2000)

★作成時点での情報・記事であり,最新の情報ではありません。

参考までに推計学の春休みレポートを載せておきます。
下のファイルはこれを作成するのに用いたExcelとWordのファイルです。以前のアーカイブには推計学教室で配布しているファイルを含んでいましたが, 現在は含めていないので必要な人は推計学教室のページから取ってきてください。

ダウンロート用ファイル:m3report.lzh:168,277 byte

次のファイルが入っています。

  • statis.doc - レポート(Wordで作成:449,536 byte)
  • statis.xls - 課題1の統計解析ファイル(Excelで作成:24,064 byte)

作成日 2000年 3月 27日(月)


課題1:「ある1人の1日の血圧値:最低血圧」の正規性

■χ2乗検定

度数 (1)実測度数 p np (2)期待度数 {(1)−(2)}2÷(2)
    〜 45 0 0.008898106 0.605071
45 〜 50 1 0.019871799 1.351282
50 〜 55 5 6 0.047797997 3.250264 5.20661733 0.120895395
55 〜 60 5 5 0.092488985 6.289251 6.289251 0.264287139
60 〜 65 12 12 0.143981974 9.790774 9.790774 0.498497705
65 〜 70 15 15 0.180334594 12.26275 12.26275 0.610998602
70 〜 75 9 9 0.181723972 12.35723 12.35723 0.9120971
75 〜 80 10 10 0.14733559 10.01882 10.01882 3.53531E-05
80 〜 85 7 7 0.096107367 6.535301 6.535301 0.033042887
85 〜 90 2 4 0.050436528 3.429684 5.53925395 0.427729573
90 〜 95 1 0.021293338 1.447947
95 〜 100 0 0.007231387 0.491734
100 〜 105 0 0.001975385 0.134326
105 〜 110 0 0.000434018 0.029513
110 〜 115 1 7.66935E-05 0.005215
115 〜 0 1.22673E-05 0.000834
68 1 68 2.867583753

χ2値=2.868 < 11.070 =χ28-2-1(0.05)
よってχ2乗検定からは,正規性は否定されない。

■高次積率法

最低血圧
平均 70.17647059
標準誤差 1.288318077
中央値(メジアン) 69
最頻値(モード) 68
標準偏差 10.62374302
分散 112.8639157
尖度 2.128465726
歪度 0.822881447
範囲 62
最小 49
最大 111
合計 4772
標本数 68

n = 68だから
歪度:g1 〜 N(0,(0.2970)2),g1 = 0.8229
T = X/0.2970 〜 N(0,1)なので,t = 0.8229/0.2970 = 2.771
有意水準5%のとき,棄却域は|T|> 1.96となるので,仮説は棄却される。
尖度:g2 〜 N(3,(0.5940)2),g2 = 2.1285
T = (X-3)/0.5940 〜 N(0,1)なので,t = -1.467
有意水準5%のとき,棄却域は|T|> 1.96となるので,仮説は棄却されない。

■棄却検定

データの度数分布において,1日目午前10時45分のデータ(111)が飛び離れた位置にある。このデータが異常値であるかどうか棄却検定を行う。

仮説H:データは正常である。

よって仮説Hは棄却される。従ってこのデータは異常値である。

課題2:APFパウダーの体重増加作用に関する実験結果の考察

正規性に関しては,個々に挙げられている標本数では判定できない。
等分散性に関しては,図「APFパウダーの体重増加量」よりデータのばらつきがほぼ等しいと思われるので,等分散と見なしてよい。またStatisticaの1変量検定の表から,有意確率が0.963734であるので等分散仮説は否定されない。

■手順1:母平均の一様性の検定

Statisticaの主効果:群の表から,

df(自由度) F p-値(有意確率)
効果 4 4.1918 0.010286
誤差 24

この表より有意水準5%では有意である。すなわち母平均は一様ではない。

■手順2:どの群の母平均が異なるのかを検討

Statisticaのシェフェの検定の表では,有意確率が1に近い群ほど母平均の差が少ないことを示していると思われる。従って有意確率が0に近い群とは母平均の差が存在していることを示す。

Statisticaの対比の要約の表では,コントロールの母平均に属するグループを1,コントロールに比べて有意に母平均が異なるグループを-1としている。Statisticaの対比による検定の表から,

df(自由度) F p-値(有意確率)
効果 1 16.34649 0.000473
誤差 24

この表より有意水準5%,1%のいずれでも有意である。すなわち母平均の差が認められる。

結論:APFパウダーを体重1kgあたり0.25gまたは0.5g投与した群には体重増加作用が認められるが,1.0g以上投与した群には体重増加作用が認められない。


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