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更新日:2022/2/5 薬理学実習(中枢)レポート★作成時点での情報・記事であり,最新の情報ではありません。 【実験目的】中枢神経系作用薬(抗精神病薬,抗不安薬,睡眠薬,麻薬性鎮痛薬)の効力を行動薬理学的手法により解析し,その作用機序について考察する。 【実験方法】
【実験結果・考察】行動観察表は別紙を参照のこと。 1.薬物がマウスの行動に与えた影響の特徴と経時的変化 私の担当した3)diazepam 2mg/kgと6)pargyline 75mg/kg投与45分後にchlorpromazine 5mg/kgについて考察する。 3)diazepam 2mg/kg 観察されたことは, 6)pargyline 75mg/kg投与45分後にchlorpromazine 5mg/kg 観察されたことは, 2.major tranquilizer,minor tranquilizer,睡眠薬,鎮痛薬の作用の特徴 1)major tranquilizer(強力精神安定薬)→抗精神病薬 代表的な薬物:フェノチアジン誘導体 2)minor tranquilizer(穏和精神安定薬)→抗不安薬 代表的な薬物:ベンゾジアゼピン誘導体 3)睡眠薬(催眠薬) 代表的な薬物:バルビツール酸系,ベンゾジアゼピン系 4)鎮痛薬 代表的な薬物:麻薬性鎮痛薬 3.脳内アミン代謝におけるreserpine,chlorpromazineの作用機序 1)パージリン パージリンはMAO阻害薬であり,ドパミンを分解するモノアミンオキシダーゼを阻害する。 2)レセルピン レセルピンは,ドパミンが貯蔵顆粒に取り込まれるのを阻害し,神経終末に遊離させる。パージリンの存在下では,遊離したドパミンはMAO(モノアミンオキシダーゼ)によって分解されないので,神経終末内のドパミン濃度が増加する。 レセルピンとパージリンとの投与では,レセルピンがドパミンの再取り込みを阻害し,パージリンがMAOを阻害するため,神経終末内にとどまるドパミンが増え,レセルピンの作用時間が延長している。 3)クロルプロマジン クロルプロマジンは,ドパミンD2受容体を遮断する。パージリンの存在下では,神経終末に遊離したドパミンはドパミンD2受容体に結合できなくなり,ドパミンによる神経伝達が阻害される。 クロルプロマジンの単独投与とパージリンとの投与では,予想通りその作用の差は少なかった。パージリンはMAO阻害薬であるため,ドパミンD2受容体を遮断すると,ドパミンの量に関わらずドパミンによる神経伝達が阻害されるためである。 |
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