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更新日:2022/2/3

2002年度 M6 スケジュール

★作成時点での情報・記事であり,最新の情報ではありません。

2002年度のM6にスケジュールとそれの感想です。M6の時間割は総合試験,選択BSL,卒業試験ぐらいしか書かれていないので,M6のしていることを書いています。人にもよりますが,ここに書いていない時間は自由なので,遊んでもいいし,国試の勉強をしてもいい時間と考えて下さい。

臓器別総合試験

実施日は2002年4月1日(月)で前年と同じく4月の第1週の月曜日です。試験内容は「消化管,神経・脳神経外科,肝・胆・膵・腹膜,産婦人科,腎・泌尿器,精神神経科,循環器,運動器,内分泌・代謝,呼吸器,麻酔(救急を含む)」で,「血液・造血器,小児科,皮膚科,眼科,耳鼻科など」はありません。

時間は9時から12時までですが,90分単位で2つ続けて行います。つまり9時から10時半の90分と休憩を挟んでそのあと90分の2回に分けています。時間が足りないという人がいたので少し延長してくれました。

教務委員のT先生から「この試験は自分の学力を知るためにするのではなく,(大学側が)学力を把握するために行うので試験問題は全部回収します。自分の学力を知りたかったら(国試対策の)模試を自分で受けて下さい。」ということを全員に言われました。ということでこの試験は少なくとも自分の学力を知り,不十分なところを勉強するためには利用しにくいです。

2002年度の試験問題は,1時間目が73問,2時間目ともに74問ぐらいで前年(80問ずつ)よりはやや少なめでした。解答はM4の臓器別試験で使ったのと同じマークシートです。各科目はおおよそ10問前後ですが,15問ぐらいのところもあります。順番については前年と違っていました。

勉強の仕方は,内容がM4の臓器別試験と同様にかなり専門的なところが問われるので,普通の国試対策の勉強をしてもあまりいい点は取れないと思います。

今回私たちはこの試験で下から10人は前期選択BSL実習先病院の決定で,下から10人以外の人が決定してから残った病院を成績順に決定するように教務委員から言われていました。また全ての病院に少なくとも1人は行くように言われていましたが,下位10人の人が全く希望者のいなかった病院をうまく選んでくれたようです。

Objective Structured Clinical Examiniation
(OSCE:客観的臨床能力試験)

実施日は2002年5月13日(月)で前年とほぼ同じ5月の第2月曜日です(連休後1週間かもしれません)。試験内容は「医療面接,バイタルサイン,腹部診察,心臓・胸部診察,基本的外科手技」の5つが事前に知らされていますが,実際に行われたのは前年と同じくバイタルサインを除く「医療面接,腹部診察,心臓・胸部診察,基本的外科手技」の4つでした。

時間は14時20分に大講義室に集合して,前期選択BSLの資料と受験票を配られたあと,15時から最初のグループがスタートします。大きく3組に分けられ,さらに5人ずつのグループとなって6Fに行きます。

M5の人が呼びに来るまで,ひたすら大講義室で待機です。私たちのグループは5番目で最後だったので,17時40分まで約3時間待機で終了が18時10分ぐらいになりました。

荷物は全部6Fに持って行って4Fには戻らないように言われますが,監視している人がいないので自由に戻れたようです。

最低限必要なものは「聴診器,受験票」ですが,ほとんど全員が「白衣」を着ていました。前年は「白衣」なしで受験した人もいたそうです。

「医療面接」では,部屋の外で待っている模擬患者(Standardized Patient)を呼ぶところからです。M5のBSLで時々いるような自分から勝手に話してくれるというタイプの患者ではないので,うまく話を聞きだす必要があります。5分しかないとはいえ,うまく話が聞き出せずに沈黙してしまうこともあったようです。

「腹部診察」では,診察して所見を言う項目が多いので素早く進める必要があります。

「心臓・胸部診察」では,まず呼吸音・心音を聴診器で聞いたあと,心音のテープを聞いて質問に答えます。心音のテープはかなり古いらしく,あまりきれいには聞こえません。今年はどの組も僧帽弁狭窄症だったようですが,大動脈弁狭窄症だったと言う声も聞きました。テープに関してはせいぜい数種類(おそらく弁膜症のみ)しかないようです。

「基本的外科手技」では,まず清潔な状態という前提で手袋をはめて,持針器で針を持ってそれに糸を掛けて,スポンジのようなものあるいは2本のゴムパイプを縫合して,はさみで糸を切ります。それと予め縫合してある糸を抜糸します。

結び方は外科結びでも形成結びでもいいようです。抜糸は結び目を鑷子で持って清潔な皮内の糸を少し引っ張り出してそこを切ります。

OSCEの直前に学務係が外科縫合セット(持針器,針,鑷子,縫合糸,スポンジ;縫合糸以外は1つずつ)というものを貸し出してくれました。資料(たぶんこのOCSEマニュアル)もあったらしいが全員には回っていないので,M5のBSLでやり方を習得しておかないと外科縫合セットを借りただけではやり方がわからず結構難しいです。

勉強の仕方ですが,「基本的外科手技」以外はメディックスにあるビデオを見てそれから友達や家族で実際に練習してみるといいと思います。

前期および後期選択BSL

各病院の詳しい内容については,メールで回っていると思うので省略します。ここでは前期および後期が終了したあとに開かれるまとめの会について述べます。

これは教務委員の先生達に自分の行った病院がどのような状況だったのかを報告する場です。総合医療センターは数人が聞かれますが,他の病院は代表1名が報告します。

このまとめは特に参加する必要はありませんが,他の行事と一緒にしているので結局行かざるを得ないような状況です。

模擬試験

模試の申し込みは,前期BSLの始まる直前にありました。模試委員の受け付けてくれる模試は,TECOMとMECの2つでした。

申し込みは1年間に受ける模試をまとめて申し込みます。このときは大学単位での申し込みという形のため,あとで述べる個人申し込みより安い料金で模試を受けることができます。

なお,追加申し込みは原則として受け付けないので,このときに申し込まないと,割高な個人参加の模試料金で申し込むことになるので,注意が必要です(あとで個人で申し込んだ人が何人かいました)。

実施方法ですが,2002年のうちの模試は模試を受け取って自分で問題を解いて提出するだけでしたが,年明けの2003年の模試は大学の講義室を使って時間を計って一緒に問題を解きます。

卒業試験

2002年度は11月6日から12月20日までの毎週月・水・金の週3回ありました。

TECOMとMECの模試がそれぞれ1回ずつこの卒試期間と重なっていたので,このときは提出期限を守って模試を解くのは,かなり大変です。

最終日の12月20日には,国家試験出願書類の説明と配布がありました。出願書類には,写真〔縦6cm横4cm〕1枚(デジタルカメラ撮影の写真は不可)を貼るので準備しておかなくてはなりません。

国家試験の出願と受験票交付

どちらも地下鉄谷町4丁目にある近畿厚生局にて行います。受験票の受け取りには,印鑑が必要です。必要なものを準備していないと,どんなに交渉しても手続きをしてくれません。どちらも手続きそのものはほとんど時間はかかりません(2分以内)。

医師国家試験

当日は近畿大学に8時半に集合でした。試験時間の前後は,座席に座っていなければならず,拘束時間が長いです。途中退席できるのは,概ね100分以上の試験です。ただし開始後1時間と終了前15分からは退席できません。

私の教室では,席順は同じ大学の人は5人おきになるように受験番号を決めていました。前後は狭い(杉本キャンパスの教養の教室ぐらい)ですが,前の人の解答用紙は姿勢を変えないと普通は見えません。

ちなみに試験監督員ですが,私たちの教室では全員で5人おり,試験開始・注意など受験生に伝える人が代表で,他の4人は20代ぐらいの若い人でした。

試験開始前に注意されたことについて,ここに記しておきます。机の上には,HBの鉛筆(シャープペンシルは可),消しゴム(砂消しゴムは不可),時計(携帯電話,ポケベルに付属のもの,計算機能付きの時計は不可),鉛筆削り,受験票以外のもの(筆箱,ハンカチ,ティッシュ,目薬など)を置いてはいけません。どうしても目薬を試験時間中に使用しなければならないときは,試験監督員に許可を求める必要があります。教室が寒くても,膝掛け等は使用禁止です。上着を着たまま受験してもよいが,着脱するときは試験監督員の許可が必要です。トイレは試験監督員が付き添います。携帯電話,ポケベルの電源は切っておきましょう。音を鳴らしただけで,外部と連絡を取ったということで不正行為にされる場合があります。

試験時間ですが,問題を解くには十分な時間があると思います。途中退席するにも試験監督員の許可が必要なので,退席する人はあまり多くない(90人中10人ぐらい?)です。初日のA問題のときは,暖房があまり効いていなかったのでトイレに行く人が続出していましたが,それ以降は十分に暖房を効かせてくれました。

昼食は教室内で予め持ってきたものを食べる方がいいと思います。午前の問題が終わっても試験監督員は問題と解答の部数のチェックをするので,外に昼食を食べに行くには時間的に厳しいと思います。

卒業式&謝恩会

卒業式と謝恩会は,国家試験終了後およそ1週間後の3月25日(火)に行われました。この間はもちろん休みです。年度初めには24日だったのが25日となったため,学生証の期限をすでに超えていました。

卒業式は大阪城ホールで10時開場,10時半開始でした。内容は大学・大学院の学位記授与と,学長・市長の講演です。ここでの学位記授与は各学部代表に学長が手渡すのみですが,結構時間がかかりました(代表者だけでも20人近くいるので)。予定より少し長かったのですが,大体12時頃に終わりました。

午後2時からは医学部付属病院5Fの講堂で,医学部の学位記授与が行われました。今度は学部長が卒業生全員に学位記を渡します。午後4時頃までかかることを覚悟していましたが,かなり早い午後3時過ぎには終わってしまいました。このあと謝恩会の集合(18:00)まで時間があり,ロッカーを片づける人(使用期限は3月25日まで),一旦家に帰る人などいろいろでした。

謝恩会はリーガロイヤルホテルで18:30から開始です。6年間に指導して頂いた先生たちに感謝するための会で,途中卒業生による出し物,アンケート,演奏などがあります。21:30に終了し,そのあと心斎橋で卒業生の最後のクラス会をしました。

春休み

卒業式から国家試験の結果発表までの期間はずっと休みです。私は卒業式の次の日からスペイン旅行へ行きました。

国家試験の結果発表

さてここからはすでにM6ではなくなっているのですが,結果発表について記しておきます。

結果発表は4月24日(木)の14:00から近畿厚生局で行われました。また同時刻からインターネット上でも発表されます。この日に厚生労働省から結果通知のハガキも発送されます。そのためこのハガキは発表当日に届く可能性はかなり低いと思われます。私の場合は発表翌日の夕方に届きました。早く結果を知りたい人は近畿厚生局またはインターネット上で確認する方がいいと思います。ただしインターネット上では番号のみ書かれています。番号と名前の両方で確認するには,近畿厚生局に行かなければなりません。

14:00ちょうどに近畿厚生局につくと,すでに受験生が多数おり,並んで待っていました。掲示場所は建物の中です。最初は20〜30人ずつ係員が分けて入れていましたが,列が解消されると普通に入れます。掲示は受験地が大阪府のものは部屋の壁に貼っており(3つ),大阪府以外は机の上に合格者名簿の冊子(5〜6冊)が置いてありました。

結果を確認したあとは,ひとそれぞれでしょうが医師免許の申請に行くという人が多かったです。私は医局に結果を報告して,医師免許申請用の診断書を書いてもらい,自宅近くの保健所に申請書類を提出しました。申請書類の提出先は,住民票のある場所を管轄する保健所が指定されていますが,実際には勤務し始めてから住む予定の場所を管轄する保健所に提出する方がいいです。なぜなら正式の医師免許は申請後約3ヶ月で申請した保健所に届くためです。

あとがき

私の卒業した次の年からは,スーパーローテートおよび臨床研修が義務化されます。医学部の予定・授業内容も毎年少しずつ変わっているので,この文書も意味を失うまでの期間はあまり長くないでしょう。最後にこの文書を全て読み通して何か参考になるところがあれば幸いです。


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